リモートワークのメリット

リモートワーク
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リモートワークとは、従業員の働く場所を一ヶ所のオフィスに限定しない、新しい働き方です。一部ではテレワークと呼ばれていますが、内容は同じです。

日本でリモートワークが採用されたのは、2011年の東日本大震災がきっかけと言われています。震災後の緊急対策の一環として、企業の業務をテレワークやリモートワークで賄おうという動きがありました。

現在は通常時であっても、リモートワークを推奨するという企業が、IT系ベンチャーを中心に増えています。さらには、自動車メーカーでもリモートワークを採用する動きがあり、新しい働き方として業種を超えて注目を浴びています。

リモートワークを取り入れることにより、業務の効率化や従業員のワークライフバランスの向上に繋がると考える経営者も増えています。

リモートワークの実証実験

国内で最近提唱されている「働き方改革」でも、リモートワークは「多様な働き方」の一環として実証実験もされています。2017年7月には、政府主導の「テレワーク・デイ」が試験運用されました(以降、リモートワークに統一)。

これは、2020年の東京オリンピック開催による交通混雑を避けるため、リモートワークを演習しておこう、というのが主旨で、約900以上もの企業・団体が参加し、およそ6万3000人がリモートワーク取り組んだ大規模なキャンペーンを兼ねた実証実験だったのです。

大規模なキャンペーンに見るリモートワークのメリット

2017年7月に行われたリモートワーク結果検証が、2017年10月に報告されています。
それによると、パソコンを使った作業の生産性については、「通常の勤務に比べて、リモートワークの方が平均して16%増える結果を得た」という企業の声や、「出社せずに自宅でリモートワークをすることで、通勤時間を生活時間に割り当てられたと実感する社員が7割ほどいた」という調査結果もありました。

「エコ」という観点からの検証結果では、参加企業12社がオフィスフロアの消費電力量を調査したところ、リモートワーク・デイの消費電力量が、キャンペーン前に比べて最大で18%も減少、平均でも7%ほど削減する成果がありました。リモートワークはエコにもメリットがある確かな数値結果です。

リモートワークのメリットに、通勤ラッシュの緩和を挙げる声があります。通勤ラッシュ緩和への効果も、リモートワーク・デイのキャンペーンで精査されています。参加従業員100人以上でリモートワークを実施した企業や団体の協力の下、リモートワーク当日の公共交通機関の利用状況の変化を調べました。

その結果、リモートワーク・デイに参加した企業が多く、参加人数が約4900人と最も多かった東京・豊洲では、東京メトロ豊洲駅の朝8時の利用者数が前年同日の同じ時間帯に比べて10%減少しました。たった1日のキャンペーンでしたが、リモートワークのメリットが確かな数字で証明されたのです。

拡大するリモートワークの試み

このリモートワーク・デイの好結果を得て、2017年11月には、産官学が連携して「テレワーク月間」を行いました。2015年11月から毎年実施しているキャンペーンで、リモートワークに関するイベントやセミナーなどを継続的に実施しています。

こうしたリモートワークの試みを繰り返し行う事で、実施日数を増やし、参加団体数や参加人数の増加も図っています。合わせてオフィスワークの生産性の向上にリモートワークがどれだけ貢献するのかといった効果の測定項目をより一層充実させる目的があるのです。

このようなリモートワークを産官学が連携して推奨する背景には、2020年の東京オリンピックだけでなく、リモートワークに参加することで得られる全ての新しい価値創造の成果を共有し、「持続可能な成長と実感できる豊かさ」の実現を目指すとする政府機関の思惑もあるのです。

リモートワーク・企業にとってのメリット

産官学を挙げて実証実験までするリモートワークは、以前からそのメリットが主張されています。ここでは、リモートワークのメリットを企業の視点から確認してみましょう。

メリット1:コストの削減

会社・オフィスに必要な人員のほとんどがリモートワーク社員となれば、それまでにかかっていた備品類(机・イス、キャビネットなど)、光熱費を初めとした固定費コストが削減できるのです。

アメリカのあるソフトウェア開発企業では、従業員1人当たり年間10,000ドル(約110万円)ものコスト削減に成功した事例もあるほどです。日本では、オフィススペースに関わる家賃や土地代は海外よりとび抜けて高いため、より多くのコスト削減が見込まれます。

メリット2:人材確保のチャンスが拡大する

決まったオフィスへの勤務が必須となると、新たに人材を採用しようとする場合には、地理的に限定された地域(通勤可能なエリア)からしか人材を確保出来ません。しかし、リモートワークを採用すれば、国内はおろか世界に対してまで人材募集を行うことができます。優秀な人材を確保できるチャンスが拡大することは言うまでもありません。

メリット3:生産性の向上

企業にとって、従業員の通勤時間が無くなることでこれまで時短勤務でしかできなかった従業員がフルタイムで就業できるようになり、企業全体として生産性が向上します。

リモートワーク・個人にとってのメリット

次に、リモートワークを導入する事で働く個人にとってのメリットを挙げてみましょう。

メリット1:柔軟な働き方が可能

オフィスへの出勤が必須ではないため、勤務場所を選ばない柔軟な働き方が実現します。この恩恵を受けるのは、子育て世代の従業員です。子どもや自分の生活リズムに合わせた勤務時間で働けるため、ワークライフバランスも向上し、業務への意欲も相対的に向上します。特に妊娠中の女性にとっては、健康を優先し出産による一時的な雇用停止を無くすために有効です。

柔軟な働き方は、勤務場所だけでなく時間帯も柔軟です。介護・自分自身の通院といった時間に縛られない働き方も可能です。

メリット2:通勤ストレスからの解放

先のテレワーク・デイでの実証実験でも明らかになったように、通勤ラッシュの緩和に効果がありました。これは、働く個人のメリットに直結します。通勤ストレスからの解放は働く日本人にとって大きなメリットです。

メリット3:生産性の向上

企業のメリットだけでなく、働く個人にとってのメリットにもなる生産性の向上とは、生産性に対する個人の意識が変わる事です。これまで、個人の生産性や報酬は、一般的には「成果」+「労働時間」でした。

このだと長い時間勤務している人の方が高く評価されがちです。リモートワークを導入する事で、生産性や報酬の評価基準を「成果」÷「時間」にして「時間あたりの生産性」にシフトし、自らの生産性向上に意欲を向かせるメリットになります。

リモートワークのメリットを引き出すツール

企業、個人の視点からリモートワークのメリットをご紹介しました。リモートワークは制度を導入すれば即こうしたメリットが上がるものではありません。リモートワークのメリットを最大化するためには、ITを活用したツールが必要です。

以前は、社内のコミュニケーションをIT化するために「グループウェア」というソフトが使われていました。現在でも「チャットワーク」、「Skype」といったツールがコミュニケーションツールとして使われています。こうしたコミュニケーションツールもエンタープライズエディションとして、機密漏えい対策がなされた製品が企業では導入されています。

一ヶ所のオフィスに従業員が集まって業務に当たっている訳ではないので、リモートワークを円滑にすすめるためには情報共有のためのツールは欠かせません。

リモートワークのメリット・まとめ

新しい働き方として注目されるリモートワークのメリットを企業・個人の観点でご紹介しました。ひとつ言えるのは、リモートワークは「働き方改革」の万能薬ではない、という事です。労働集約型産業は依然として日本に存在し、その生産性を支えているのは一ヶ所で働く形態です。リモートワークに適した産業・業務形態を的確に選び、制度を柔軟に導入する必要があります。

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ABOUT

海外でのリモートワークを夢見るアラサー男子です。今は本業やりつつ、リモートワークで本業を活かした副業をしながら経験を積んでいます!

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