リモートワークがうまく行かない原因

リモートワーク
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リモートワークの可能性にかけ、東京から地方に引越ししたリモートワーカーです。

民間企業だけでなく、省庁や公的教育機関にまでリモートワーク導入の動きが広がっています。
在宅勤務を可能にする事で離職者を食い止めたりコスト削減に貢献したりと、プラス面が強調されがちです。
しかし、本当にリモートワークはメリットだらけなのでしょうか?
リモートワークが成功しない原因を導入前に遡って考えてみましょう。

うまく行かない原因:その1・目的なき導入

リモートワークを先進的な試みだから、他社が導入したからウチでもリモートワーク制度を導入しよう、というミーハーな理由では失敗に終わります。
リモートワークのメリットである、「働く場所を選ばない」「コスト削減」などを活かした導入目的であるべきなのです。

リモートワークを導入する上で重要な点は「リモートワーク導入の本質的な目的」を見失わないことです。その上で、「業務構造を変えること」に勇気をもってリモートワーク導入を検討すべきです。

うまく行かない原因:その2・コスト意識の欠如

リモートワークを導入すれば、在宅勤務により、社員が一ヶ所で仕事をする理由が減ります。
それは、固定費であるオフィスコストの削減に直結します。特に、不動産の値段が高い日本ではオフィス賃貸のコストは無視出来ない金額です。
一方で、リモートワークの導入・維持にもコストが掛かります。
VPNを始めとするネットワークにかかるコスト、サーバ運営などの人的コストもあります。

実は、2013年にはアメリカのヤフーが、2017年にはIBM社がリモートワーク(在宅勤務)を制度として廃止しています。
アメリカを代表する大手IT企業が導入したリモートワークを禁止する動きを見せました。
その理由は、予定していたほどコスト削減に効果がなかった、とされています。
リモートワークで削減されるはずだったオフィスなどの固定費とリモートワーク導入・維持にかかるネットワークのコストバランスが悪かったのです。

ヤフー社もIBMも、本業の業績が悪化して大規模な人員整理が必要だったもうひとつの背景もありますが、コストパフォーマンスの見積もりを誤ると巨大企業でさえ、制度の撤回を余儀なくされます。

うまく行かない原因:その3・ルールなき導入

遠隔地で業務を行うという事は、思いもよらぬストレスやコミュニケーションのすれ違いを引き起こします。
リモートワークでは、労務管理・人事評価が難しいという側面があります。
始業時間から終業時間をどう報告するか?時間給ではなく成果主義を客観的に導入出来るか?といったソフト面(運用面)でのルール策定が事前に必須となります。
このルール策定を曖昧なまま、リモートワークを導入しても人がリモートワークに振り回され、ツールに使われる社員まで出かねません。

始業・休憩・終業を上司にメール、チャットツールで報告する。
仕事の成果を可視化(見える化)して共有する。
リモートワーカーとなる社員・業務の選定を慎重に割り出す。
リモートワークを制度として導入する際には、ツールとしてどう使うか、というルールも同時に考える必要があります。

うまく行かない原因:その4・ハード設計の置いてきぼり

リモートワークに限らず、新規のシステムを導入する際にありがちな事態です。
回線容量の見積もりを誤り、多数の社員がリモートワークを始めると回線負荷が高まりネットワーク(サーバ)が停止する。
逆に、ネットワーク負荷を高く見積もりすぎ、高スペックなサーバを維持するコストが高いなどの事態が起こり得ます。
最近はクラウドサーバも一般的に使えるようになりましたから、リモートワーク導入から徐々にサーバ、ネットワークの規模を変更出来ます。
最初に高額のコストをかけずに、業務量・サーバ負荷などを鑑みてリモートワーク制度そのものを拡大・縮小など可変になったのは便利な時代になりました。

中小企業ではリモートワーク制度の導入はあまり進んでいませんでした。その理由には「コストがかかる」という答えが多かったようです。
しかし、中小企業こそリモートワーク導入を真剣に考えるべきでしょう。
優秀な人材を育児や介護で失うことの損失と、リモートワーク導入のコストを比べれば、今はクラウドサーバというコスト縮小の手段もあります。

それまで顔を見ながら別々の仕事をしていた社員同士が、遠隔地で同じチームとして同じ業務をするようになる。それが、リモートワークの特徴でもあります。
しかし、環境の変化に人間が対応出来ず、社内がコミュニケーション不全に陥るケースがあります。

リモートワークを「個人が集中するための手段」と考えてしまうとこの事態に陥りやすいようです。
チームから離れた場所に行って、コミュニケーションを遮断してしまう形のリモートワークにメリットはありません。
リモートワークとは、あくまで働き方のスタイルのひとつであって、チームとしてのコミュニケーション手段、決まり事を整えておく必要があります。そこを履き違えてコミュニケーション不全にならないように気をつけましょう。

コミュニケーション不全にならないための対策

顔の見えないリモートワークだからこそ、互いの存在を意識できるルールや仕組みが必要です。作業中の社員には「作業中」のサイン、「離席中(休憩中)」のサイン表示や、定時連絡ルールの徹底などハード面、ソフト面からコミュニケーションを活性化する方法を作っておきましょう。

うまく行かない原因:その5・導入前後の業務フローが見直されていない

リモートワーク導入にあたり、企業のどの業務を切り出すのか?はもちろんですが、導入後の検証も必要です。
先述のコストパフォーマンス検証によりネットワーク規模の変更もあり得ます。

遠隔地で業務を進めるためのルールや、情報漏えいリスクが導入後に発覚する事もあります。
例えば、印刷する業務をリモートワークの対象にしても在宅勤務者の負担が増えるだけです。
印刷は必要分をオフィスで一括印刷する業務フローに変更する、ペーパーレス化も同時に進めるなど後からでも対策は立てられるのです。
リモートワークという言葉に惑わされ、「導入すれば安心」というのは早計に過ぎます。
何事もPDCA(Plan,Do,Check,Action)サイクルで、計画の見直しと改善行動がビジネスを進化発展させます。

もし、リモートワーク導入前後で企業全体の生産性を評価して生産性向上に成果がなければ、計画の見直しが必要です。
チャットやWeb会議をしていると、考えていることが相手に伝わらないと「 次に会ったときに話そう」と話を伸ばしてしまうこともあるでしょう。
そうした事態が増えると決断が遅れチーム、企業組織として機能せず、事業も伸びず、成果が出ないという悪い循環に陥りがちです。

成果が出ない制度は、成果が出る制度に作り替えれば初期投資はムダになりません。制度を即廃止すれば、導入コストはそのままムダになってしまいます。
投資した導入コストを回収するために、少々制度を変える経営判断(勇気)も必要です。

さいごに

リモートワーク導入がうまく行かない原因について、導入前と導入後の検証含めご紹介しました。
どんな制度、新しいシステムでも導入前後には不安定な要素があったりコストに見合わないパフォーマンスだったりするものです。
在宅勤務というビジネスの潮流、人材確保という深刻な背景を考えれば、リモートワークは「働き方改革」ではなく、日本の経済を成長させる劇薬なのかも知れません。

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ABOUT

海外でのリモートワークを夢見るアラサー男子です。今は本業やりつつ、リモートワークで本業を活かした副業をしながら経験を積んでいます!

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