リモートワークは間違っていたのか?米国での縮小傾向を考える

リモートワーク
The following two tabs change content below.
kenboy

kenboy

リモートワークの可能性にかけ、東京から地方に引越ししたリモートワーカーです。

働き方改革の実施で、にわかに注目を浴びるリモートワーク(テレワーク

その本家ともいえるアメリカにおいて、リモートワークで働いている人は全体の4割にも及ぶとされていて、日本の水準に比べ低下に進んでいるのかがわかります。

しかし、近年、このリモートワークに対してアメリカで縮小傾向にあるという事実が報告されています。リモートワークは間違っていたのか?その実態に迫ります。

アメリカのリモートワーク事情

アメリカはリモートワークの元祖

そもそもリモートワークという概念は、アメリカで誕生しました。所説はありますが、有力な説としては、NASAのエンジニアであったジャック・ニリーズ氏がなんと1970年代にその研究を始めたといわれています。

当時はちょうどオイルショックの時期にあり、通勤コストを伴わない働き方の一つとして研究され始めたといわれているのです。その後、長い間その概念は忘れ去られていましたが、ITの進歩によってその様相は一変します。

労働者の4割はリモートワーカー

ITの発展によって、その最先端にあってアメリカでは、一気にその利用方法が拡大されていきました。その利用方法は、情報はもちろんのこと通販や音楽配信など多岐にわたり、日本人にもなじみの深いものが、インターネット通販の大手である「アマゾン」などがそれにあたります。

つまり、この便利なIT技術をいかに生活に生かしていくか躍起になっていたというわけです。その結果、忘れ去られかけていた概念である、リモートワークが注目されます。出勤せずとも社員同士のコミュニケートが十分に撮れ、書類の受け渡しもできる。

IT技術によってそれだけのことが担保されれば、むしろ会社に出勤する必要なんかないじゃないか、というのがその基本にありその考えは一気に広まりました。そして一時期には労働者の4割がリモートワークという形態をとるまでに成長したのです。

2010年代に入り縮小傾向になる

しかし、このリモートワークは2010年代に入って縮小傾向がみられるようになります。しかも、その傾向は、むしろ躍進の鯨飲であったIT業界から起こります。その先陣を切ったのが、やはりIT系である皆さんもおなじみのYahooです。

Yahooは、2013年それまでむしろ積極的に推奨してきたその理念を一大転換させ、社員のリモートワークを禁じるに至りました。

その後、バンクオブアメリカ・ベストバイなどのアメリカの大手企業がこれに追従します。そしてなんと2015年5月に、これもIT系大手IBMが社内のリモートワーカーに対し、出社するか退社するかの二択を示して全面的にリモートワークを禁じるに至ったのです。

さらに、現在は、アップル・Google・フェイスブックといった大手IT系企業も、リモートワークを積極的に推奨していません。

2017年10月22日付けフォーブス・ジャパンにて、かねてからリモートワークをもっとも推進する企業のひとつであった米IBMが数千人のリモートワーカー人員をオフィス勤務に戻したという記事がありました。

引用:IBM、Yahoo!における在宅勤務原則廃止は、ほんとにそれでいいのか? 徹底考察

リモートワークは失敗だったのか

時系列でみれば失敗しているように見える

確かに、時系列でみれば失敗しているように見えます。

そもそもの始まりがアメリカであり、その後アメリカにおいて急速に発展浸透していき、そしてそのアメリカでその縮小傾向がみられるのですから当然です。

これだけを見れば、時期尚早だったとかそもそも血管があったという見方をされてもおかしくはないのです。しかし、表面的な事実だけを見て、これを失敗というのは早計です。

ここからは、個別の事例に迫ってみましょう。

Yahooの失敗は管理体制の不備

まず、この縮小傾向の引き金となったYahoo。

このYahooの失敗には、まさにリモートワーク初期の不備ともいえる、体勢的な欠陥がそこにあったのではないかといわれています。Yahooにおいてはリモートワーク失敗後の調査で、その管理体制に不備があったことがわかっているのです。

たとえば、在宅での勤務時間中に社員が副業を行っていたり、中には会社の目が届かないという特性を利用して勤務時間中に会社を立ち上げる人もいたといいます。

いかに、自由な社風のYahooとはいえ、さすがにこれは看過できない事態であることは間違いありません。つまり、Yahooの失敗の根底には、リモートワークという新しい働き方を導入はしたものの、そのマネジメント方法がまだ確立されていなかったことによっておこったといえます。

ある意味、適切なマネジメントが必要だという先端事例となったともいえるのです。

IBMの失敗はコミュニケーション不足

もともとIBMはオフィスコストの低減としてリモートワークを推奨してきました。ですので、IBMでは何とほぼ全社員を対象にフルタイムの在宅勤務を推奨、その社員のほとんどがリモートワーカーとなったのです。

しかもアメリカは国土が広く、遠隔勤務の人間も日本とは比べ物にならないくらい多くなります。そんな環境の中でIBMでは、ほとんどの社員が出勤せず、そこに、社員間のコミュニケートが圧倒的に不足するという弊害が生まれたのです。

これによりIBMはリモートワークを廃止するに至ったのです。たしかに、社員間のコミュニケーションは必要ですし、何気ない会話や交流の中からイノベーションが生まれてくることは間違いありませんので、その考えは支持できます。

しかし一方で、やはり、IBMもまた拙速にリモートワークを導入してしまったといえるでしょう。そう、もちろん特別な事情はあったとしても、その導入が極端であり過ぎたのです。

Google式マッシュアップを学ぶ

そこで、お手本となるのがGoogleです。前段において、Google等のIT大手もリモートワークを推奨してはいないという情報を提示しましたが、それはなにもリモートワークを否定しているというのではありません。

もちろん、Googleにおいても、必要とあればリモートワークを選択することができるのです。

ただそれは、あくまでも労働者の選択にゆだねられていて、Googleとしては、出社を強制するのではなく、出社したい職場づくりを推進しているのです。

つまり、リモートで働きたい労働者と、出社もしてほしいGoogleで綱引きをしているわけです。そこにあるのは、企業の思惑による押し付けではなく、あくまでどのような働き方をした方が「効率がいいか」というものを社員が「自主選択」できる環境。

さすがはアメリカのみならず、世界のITを席巻し先導するGoogleらしい考え方といえるでしょう。

日本はファックスを捨てない民族である

アメリカの現状から日本での導入を考える

では、そんなアメリカの現状から日本での導入を考えてみましょう。

まずはYahooやIBMの失敗からは、当然のごとく学ぶことは多いでしょう、しかし、重要なのはYahooやIBMが失敗したからといって導入をあきらめないということです。

むしろ、そこに失敗があるからこそ、日本では、より効率的な導入ができるというマインドが必要です。そして同時に、Googleの成功からもその成果を大いに参考にして、日本におけるリモートワークの導入を考えていきたいと思います。

日本人はファックスを捨てない民族である

ここで、一度注目してほしいのが、日本人の民族性です。もちろんさすがに大企業ではほとんどなくなってしまいましたが、いまでも中小企業のオフィスにファックスがあるところがありますよね。

しかし、なんとアメリカでは、有名なスミソニアン博物館に歴史遺産としてファックスは所蔵されています。本当は日本人だって、ファックスよりもメールやSNSの方が使いやすく即応性も高いことを知っています、紙やインクにかかるコストが馬鹿にならないこともわかっています。

しかし日本人はファックスを捨てない民族なのです。ほかにも、さすがに勢いは衰えてきたものの、いまだに有料配信がCDを抜けないというのも日本独特の現象ですし、カーナビの販売数も海外ではスマホに押されて激減していますが、日本では微減にとどまっています。

どれも、後発の技術の方が簡単で楽で効率がいいとわかっていてこうなのが、日本人なのです。

新しいものへのおびえ、それもまた利点

つまりこれは何かというと、旧技術への愛着と新技術への恐れが強いということです。そう考えれば、日本にリモートワークが根付くのは難しいと考えるかもしれませんが、しかし一方ではそれが功を奏するとも考えられます。

そう、YahooやIBMの失敗は、極端な変換と拙速にその原因がありましたよね。しかし、いまだにファックスを使う日本人が、その様な極端な変換や拙速な導入をリモートワークの時だけ特別に行うとは考えられません。

もしそのような企業が現れたとしても、それはほんの一部分であり、ある意味テストケースになってくれるでしょう。日本人の特性を考えれば、YahooやIBMのような失敗はそうそうあり得ないのです。

あとはGoogleに学ぼう

そうなれば、あとはGoogleに学ぶという方向性でいいでしょう。つまり、出社のメリットを確保する方策をトップダウンで押し付けるのではなく、社員が進んでそうしたいと思えるように企業努力をするというスタイルです。

もちろん、旧態依然とした日本の大手はなかなか難しいでしょうが、一部IT企業にはその傾向はみられます。

さらに言えば、日本という国は楽しむということに手を惜しまない、世界でも有数の国です。もし、楽しく働くことが起業メリットにつながるという考え方にコンセンサスが取れれば、日本のその分野での発展は大いに期待が持てます。日本でのリモートワークの導入は、実はかなり期待できるものなのです。

選択肢の一つであることが重要

つまり、日本におけるリモートワークはGoogleがそうであるように選択肢の一つであればいいのです。リモートワークを推進する政府も企業もそして専門家も、なにもリモートウェアー区が日本の働き方の基本となってほしいとは思っていません。

というか、なるとも思っていないでしょう。

しかし、効率や能率を考えたときに、それがひとつの選択肢出あればいいと思っているにすぎないのです。日本人はいまだにファックスを使います、しかし、メールを使わないわけではありません。

そんな日本人の日本人らしい性格であれば、リモートワークを選択肢の一つとして有効に活用できる道を見つけ出せると信じているのです。

ピックアップ記事

関連記事一覧

ABOUT

海外でのリモートワークを夢見るアラサー男子です。今は本業やりつつ、リモートワークで本業を活かした副業をしながら経験を積んでいます!

Twitter でフォロー