リモートワーク導入事例・なぜリモートワークを導入するのか

リモートワーク
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近年、政府もリモートワーク(別名:テレワーク)の導入を推進しています。
ICTの発展を背景として、時間・場所に縛られる事のない、新しいワークスタイルが可能になった点があげられます。
また、単にリモートワークが可能になっただけでなく、企業のニーズとしてリモートワークが脚光を浴びている点も見逃せません。

今回は、政府や企業がリモートワークを導入する理由とその事例をご紹介します。
なぜリモートワークを導入したか?
どのような導入方法を採ったか?
具体的な事例を見れば、これからのリモートワークのあるべき姿が見えてくるでしょう。

BCP対策としてのリモートワーク

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、道路や水道・ガスといったインフラが寸断され、物流はもちろん人の往来も大きなダメージを受けました。
水道・ガスといったライフラインの復旧は最優先でしたが、その後も道路や鉄道といった物流網は復旧まで時間が必要でした。
物流網の分断に加え、企業の事業所も被災したり従業員の自宅も当然被災したりして、出社が困難な状況が長く続きました。
従業員が出社出来ないと企業の存続も危ぶまれます。

この未曾有の災害を受けて対策が急がれたのが、BCP対策です。
BCPとはBusiness Continuity Planの略で、災害や事故など不測の事態を想定して、企業の事業継続の観点から計画・対応策をまとめたものです。
先の震災のような危機発生の際に重要業務への影響を最小限に抑え、仮に事業が中断しても速やかに復旧・再開できるようにあらかじめ策定しておく行動計画のことです。
このBCP対策からリモートワークを導入した企業があります。

日本ユニシスのリモートワーク導入事例

大手IT企業の日本ユニシスでは、東日本大震災以前の2006年に首都直下型地震を想定した「BCPプロジェクト」を設置しました。
2007年4月からは新型インフルエンザ対策を開始、翌2008年4月には新型インフルエンザ対策の諸規定が制定され、5月には新型インフルエンザ対策本部の机上訓練、11月には新型インフルエンザ向け安否確認訓練が実施されています。
リモートワークで問われる勤務管理の課題について、日本ユニシスでは、業務の成果を明確に提示すること、かつ「週3日以上」を前提に申請登録した社員を対象に在宅勤務者としてリモートワークを導入しました。

業務の管理は、始業時間・就業時間の連絡が必須となりますが、基本的には日々の時間管理は行わずに「みなし勤務」が適応しています。
事前に提出した項目に従い「成果管理シート」を作成し、日時・月次の成果をレビューするといった管理体制がとられています。
ここでは先駆者的に「成果主義」の管理体制がリモートワークとともに導入されたのです。

「働き方改革」としてのリモートワーク(人材確保)

優秀な人材を多様な働き方を認めて採用する「働き方改革」が勧められています。
能力の高い人材であっても、通勤の問題や、介護・子育てといった家庭の問題で離職せざるを得ないケースが見受けられます。高齢化社会を迎え、介護離職は現実性の高い問題です。
在宅勤務は、そうした問題を解決するひとつの手段と考えられています。
子育て・介護でオフィスに通勤する事が難しい従業員も、リモートワークを導入すれば場所・時間に縛られない柔軟な働き方が可能です。

従業員にとっても働く機会と介護・子育てを両立できるうえに、企業にとっても人材確保というメリットがあり、リモートワークが脚光を浴びているのです。

日産自動車株式会社のリモートワーク導入事例

日産自動車はメーカーでありながら、リモートワークを導入した実績を持ちます。

2006年に育児・介護を行う従業員を対象に、所定内労働時間の50%を上限に在宅勤務(リモートワーク)を導入し、仕事と育児・介護の両立支援を目指しました。さらに2010年に生産工程以外の間接従業員全員を対象に上限月1回のリモートワークを可能としましたが、当時は利用者が増えず働き方の改革にまでは至らなかったそうです。
2013年5~8月に特定部門を対象としたトライアルを経て、2014年1月よりリモートワーク制度を生産工程以外の全従業員を対象に、日数・時間の上限を月5日(40時間)に拡充するという大胆な施策を打ち出します

その意図のひとつには、「ライフステージに応じて一人ひとりが最大限の能力を発揮し活躍するために、多様な働き方の実現を支援し育児・介護などとの両立を迫られる時間制約のある社員が増加している状況下、全従業員のワークライフマネジメントの向上と、誰もが時間制約や時間当たり生産性を意識した働き方が必要である」としています。

日産自動車でのリモートワーク導入は、生産工程以外の全従業員を対象とし、2014年3月末時点でリモートワーク登録者数約2,400人(うち、育児・介護両立社員約220人)となっています。
リモートワーク勤務時の上限を月5日、1日8時間に設定し、上限月40時間以内であれば5日以上の部分在宅の利用も可能とするなど弾力的な運用をしています。
育児・介護を理由とする場合は、上限を所定内労働時間の50%とするなど、子育て・介護でのワークライフマネジメントに重点を置いている事が分かります。

生産性向上としてのリモートワーク

若年労働人口が減り、生産性向上が提言されています。
労働人口の減少は企業だけでなく、官公庁でも同様の危惧があり、省力化とともに業務の効率化・生産性向上が自治体や省庁でも提唱されています。
官公庁や自治体での生産性向上は、利益を生み出すものではなく、市民の利便性向上やサービス向上に役立ち、新しい公共サービスを生み出す土壌を創り出します。

佐賀県のリモートワーク導入事例

佐賀県では県庁・出張機関に勤務する約4,000人の職員を対象にリモートワークを導入しました。導入を決めたのは2008年の事で、全国の自治体でも初めての試みでした。
導入にあたっては、リモートワークの形態として、在宅勤務、タブレットやノートパソコンを利用したモバイルワーク、県内県外合わせて13ヶ所のサテライトオフィスという3つの形態でリモートワークを採用したのです。
1,000台のタブレット端末を用意するなどICT環境の整備にも初期投資が必要でした。
しかし、リモートワークを導入後早くもその成果が目に見えて現れたのです。
例えば、職員が出張後、直帰できる比率が16%から28%に増加しました。リモートワークの導入により、出張報告書などの付随業務を帰庁することなく、提出できるようになったからです。
また、出先でのすきま時間を活用した業務効率化が進み、3倍もの効果を得ました。
復命書(出張報告)といった報告書の類も作成時間が49%も削減され、業務のスリム化が目立った効果として捉えられています。

リモートワーク導入事例・まとめ

企業や自治体でもすすむリモートワークの動向を事例を挙げてご紹介しました。
生産性向上、「働き方改革」、人材確保と様々な目的をもってリモートワークを導入しています。
それは、リモートワークに様々な効果が見込める事を実証しています。
ICTの発展によりリモートワークの導入が今後も進むでしょう。制度の導入は従業員の働き方や仕事への意識を変える以外に、新しいサービスを創り出す可能性を秘めています。
リモートワークの今後に期待しましょう。

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海外でのリモートワークを夢見るアラサー男子です。今は本業やりつつ、リモートワークで本業を活かした副業をしながら経験を積んでいます!

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